プラスチック製容器包装の再商品化の課題 |
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容器包装リサイクル法によって再商品化義務が課せられている4つの素材(ガラスびん、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装)の中で、その再商品化費用が平成16年度実績で約80%、18年度予算では92%を占めるのがプラスチック製容器包装です。容リ法見直しを進めてきた産業構造審議会、中央環境審議会でも、その再商品化(リサイクル)能力、手法、品質、コストなどが課題となっています。 協会としての考え、対応策について畑隆雄・プラスチック容器事業部長がご説明します。 |
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| プラスチック製容器包装の再商品化は、これまで毎年10万トン前後の伸びを見せ(16年度、17年度は8万トンの伸び)、容リ法が扱う素材の中でも圧倒的な量と金額を占めています。直近の伸びはやや鈍化したものの、まだまだ増える見通しです。 これに伴って特定事業者が負担する費用がますます大きくなっていく状況です。 |
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| 市町村からの引き取り量 市町村からの引き取り量の平成17年度見込みは53万トン、18年度申し込み量は59万6千トン(前年度57万6千トン)です。 |
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| 分別収集物の品質 リサイクルの質を高めるためには、入口にあたる分別収集物が、ごみではなく資源となりうるものでなければなりません。 市町村から引き取ったベールの品質は、17年度の調査では、再商品化に適したAランクが71%、適さないDランクが12%となっていますが、実際には、これよりもDランクが多いのではないかとの指摘があります。品質を把握するにあたっては、協会が設定した品質基準に基づき再生処理事業者が市町村の立会いを原則にベール品質のランク評価をする方式をとってきました。このやり方では、品質評価をする再生処理事業者によって評価尺度が異なる恐れがあり、品質向上を推進していくためには品質調査のやり方を改善する必要があると考えています。 また分別収集物の品質は、消費者が分別排出する際の品質によって大きく左右されるため、消費者の協力を得られるよう、自らが分別排出したプラスチックが何に利用されているかについての情報をフィードバックすることが必要です。
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| 再商品化の費用 他の素材の落札単価が年々大幅に安くなっている中で、プラスチックの落札単価は高止まりしたままです(下の折れ線グラフ)。 高止まりの原因は、一つには市町村からの引き取り量に対し、前述のように再商品化の能力にあまり余裕がなく、需要と供給が拮抗し、入札に当たり十分に競争原理が働いていないためです。 もう一つは、落札単価が高い材料リサイクルが入札選定にあたり他の手法より優先されているためです。材料リサイクルの登録再生処理事業者数は、平成17年度は60社(うち新規事業者11社)、18年度は74社(うち新規事業者17社)と年々増えています。本来なら、事業者数が増えれば競争入札によって落札単価が下がると考えられますが、現実には材料リサイクル優先によって競争原理が機能しておらず、高い入札単価でも落札できてしまうためです。下の棒グラフにあるようにプラスチックの再商品化手法の中では、材料リサイクルの再生処理費はケミカルリサイクルより高くなっており、5万円台もあれば15万円台もあるという状況です。材料リサイクルという同様の手法でありながら、なぜ、これほどに単価に差が出るのでしょうか。
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入札が適正な競争原理のもとに行われ、リサイクルを安定的に推進していくためには、中長期的に引き取り量に対して1.3倍以上の再商品化能力を確保することが必要であると協会では考えています。 そのため、既存の事業者の能力拡大とともに、新たな再商品化手法として「燃料化」が認められるように、国に働きかけています。 燃料化には、様々な樹脂のプラスチックと古紙を混ぜて固形燃料にするRPF(Refuse Paper and Plastic Fuel)と、セメントの原料と燃料をつくるセメント原燃料化があります。 燃料化というと「焼却炉で燃やすだけか?」と誤解されることがあります。しかし、RPFはごみを直接燃やす発電とは異なり、高カロリーで、二酸化炭素削減効果が高く、焼却残渣が少ない、という利点があります(下の表参照)。そのため、石油や石炭などの化石燃料に代わるものとして以前から注目され、容リ法のもとでプラスチックと紙について再商品化事業を始めるに先立ち導入が議論されました。実際、紙製容器包装のリサイクル手法のひとつとしてすでに導入されています。ところが、プラスチック製容器包装のリサイクルとしては、今回の法見直しにおいて「補完的な手法として」「緊急避難的」に認められたところです。 この手法の導入によって、再商品化の能力の拡大を図ることができます。併せて既存の再商品化手法との棲み分けが考慮されるべきと考えます。
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平成14年度以降、市町村から引き取ったベールについて、品質のチェックを行っていますが、ランク評価が公正ではないとの指摘があります。ベール品質の評価を正しく行い、品質の悪い市町村に対する品質改善の取組みを進捗させるため、今後は、再生処理事業者の工場でベール品質調査をする際に協会が必ず立ち会う体制を構築していく方針です。そして、著しく品質が劣る市町村に対しては、改善計画の立案とその実施を求めていきます。それでも改善が見られない場合は、改善されるまでその後の引き取りを断ることとします。 すでに、17年度においても著しくベール品質が悪い市に対して改善計画の立案とその実施を求めた結果、改善が図られた市(後述の徳島市)もあれば、18年度の引き取りを断った市もあります。 一方、市民(消費者)にとって、「自分たちが分別排出する手間をかけたものが何になったのか?」ということは、当然、大きな関心事です。消費者が多くイメージされるのは、プラスチックの成形品として蘇ることではないでしょうか。しかし、容器包装のプラスチックをリサイクルした原料は、PPとPEが混合されているものが多く、100円ショップで販売されているプラスチックの成形品レベルのものを製造することは困難です。今日では、プラスチック製容器包装を原料としたパレットの需要が高まっています。今後、付加価値のある最終用途を開発する努力を更に続けるとともに、どのような用途に利用されているかの情報をフィードバックしていきます。 |
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高止まりしているプラスチックの落札価格は、適正化を図る必要があります。協会では、平成17年7月に外部有識者による「標準コスト検討委員会」を設け、17年度落札価格の分析、手法別標準コストの分析を進めてきました。その取り組みについては、産構審・中環審で報告し、取り組み内容が了承されました。その結果をふまえ、18年度の入札選定においては、再生処理と運搬について基準コストを設定するとともに、高額領域での落札を排除するため、「この値を超えた入札ふだは無効とする」という扱いにするための「上限価格」を設定し、入札選定を行いました。その結果、プラスチックのリサイクルにおける高額領域での落札の抑制が実現できました。 18年度入札対策は、短期的な効果が得られたものの、上限価格が関係者に周知になると、翌年の入札には有効ではありません。 そのため、各手法別の標準コストの分析をさらに深めるとともに、入札にあたり、市場全体の価格競争を促進するような方策の検討にすでに着手し、19年度以降についても再商品化コストの適正化を推進していきます。 |
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多様な再商品化手法による健全な競争を 今回の容リ法見直しで、各主体がお互いに社会的意義のあるリサイクルをし、コスト削減に努めましょうという出発点に立てたことは評価できます。この努力が目に見える形で成果を挙げなければなりません。リサイクルに適するものを分別収集し、再商品化はコストがかからない技術(手法)も含めて導入するという、入口と出口を改善することで、その実現が期待できます。RPFなどの燃料化は、単純なごみ焼却とは異なり、社会的評価の定まった技術です。これを認めるとリデュース(減量化)が進まなくなると懸念する人もいますが、減量化は出口だけでなく全体を見るべきですし、油化を認め燃料化を排除するのは論理として成り立ちません。多様な手法を技術で評価すべきです。 また、入札の精神は、健全な競争にあります。特段な根拠がなく「優先」を設けるのはそれに矛盾しますし、現状の落札価格のばらつきは常識を逸脱しています。今回、協会が入札にあたり上限値を決めたことで期待できるのは、対症療法としての効果だと思います。多様な再商品化手法を認め、入札制度が改善され、コスト削減の努力が実を結んでこそ、各主体の連携も促進され、円滑なリサイクルが実現することでしょう。 |
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個々の取り組みの深化と主体間の連携 いい製品を作るには、いい材料と技術が不可欠です。これは、ものづくりの基本です。もちろんコスト意識も欠かせませんが、それぞれの役割を担うものが前後の工程を理解してこそ、真に役立つものが完成されることとなります。容器包装のリサイクルもまったく同じで、今回の一連の審議会等の議論を通じて、あらためて消費者・市町村・事業者が相互に連携を取り合い、協同で3Rに取り組む方向付けがなされたことは、前進であったと考えます。 さらに、再商品化に関しては、分別収集物の品質を高めることが総意としてまとめられました。この点に関しては、如何に実行が図れるかが課題ですが、容リ協会のチェック機能に大いに期待をしているところです。 また、材料リサイクル優先ならびに燃料化を含めたリサイクル手法の拡大に関しては、未だ検討の余地は残していますが、前途に光明を見出す議論がなされたと考えます。 まだまだ課題は多く、特定事業者としての役割をしっかり果たせねばなりませんが、各主体が各々の役割を超えて連携することこそ、持続可能な社会への途だと考えます。 |
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